今年の夏は長いお盆休みだった。
休みに入る前、夫は「今年こそ坊主をキャンプに連れてってやるぞ!」と意気込んでいた。
夫の会社では、連休と連休の間は「ワークライフバランスデー」と呼ばれ、年休を取ることが推奨されるため、ベッタリと休みになる。
「なみ松も休まれへんの?」
と言うので、私もこの機会に特別休暇である長期勤続休暇を取得することにした。
11日から21日までの長い長い夏休み。
ところが、猛暑、台風、サトイモの発熱。
40℃を超える高熱が出たりひっこんだりする。
小児科では、
「風邪薬を出しておきますが、抗原検査どうされますか? 万が一コロナ陽性ってこともないとは言いきれません」
と判断を委ねられた。
サトイモは当然、検査は嫌だと言う。
以前、棒を鼻に突っ込まれたときは、
「もうこんなことしないでね!!ダメでしょ?!?!わかった?!?!」
と小児科の先生に逆ギレしていた。
普段だったら即決で検査すると言うけれど、どうせ休みなのだからと検査はやめておいた。
コロナであろうとなかろうと、サトイモが熱を出している以上はどこへも行けない。
お盆休みはたちまち自粛生活に。
お墓参り用に買った仏花も無駄になってしまった。
何のために休みをとったのやら…。
引きこもり上等
どこへも行けなかった、とはいえ、夫は前半、友人たちと泊りがけの釣り旅行へ出かけた。
整体とスーパー以外、どこへも行けなかったのは私。
せっかくの休みだから出かけたい気持ちがあるため、どちらが子どもの面倒を交替でみるかで自ずとギスギスする。
私だって、どっか出かけたかった!
とはいえ、「じっとしてると頭痛がしてきた」と心身の不調を訴える夫より、私のほうがずっと引きこもりを楽しんでいた。
基本、子どもとUNOをするかレゴをするか(38℃くらいの熱でも子どもは元気)、映画や動画を見るか、本を読むかスマホゲームをするか。
こんなにゆっくりしたのはいつぶりだろう。
配信で公開されたばかりのプチ鹿島&ダースレイダー監督『シン・ちむどんどん』、パク・チャヌク監督『別れる決心』、野村和也監督『攻殻機動隊 新劇場版』の3作は、私が見たかった映画だったので、見ることができて本当によかった。
それだけではなく、最近はサトイモと一緒に映画が見れるようになったので、『カールじいさんの空飛ぶ家』、『ペット』、『SING』、『SING ネクストステージ』を見る。
映画を一緒に見ると、サトイモがどれくらい物事を理解できているかがわかってくる。
特に、カールじいさんについてはかなり説明を要した。
地上げ屋がカールじいさんを無理に怒らせて暴行事件に仕立て上げる経緯など、サトイモの「なんで?」が炸裂。
それはまだいいほうで、そもそもの、じいさんの妻の夢だった、滝のそばに家を移動させるという動機についても、「なんで?」となるので、一体この子は映画の何を理解できてるんだろう?と不安になる。
できればこの休みに、『シン・仮面ライダー』も見たかったけれど、時間もないし、サトイモも見る気がなかった。
ヒーローものに興味がないのはわかっていたけど、
「せいぎって何?」
と尋ねられたときには、
「そりゃヒーローに興味がわかんやろうなぁ」
と諦めた。
サトイモはパウパトロールが大好きだが、彼らは正義のために戦ったりしない。
街の具体的なトラブルに対するレスキューをするだけだ。
悪役のライバール市長がどんなに悪さをしても、決して懲らしめたりしない。
正義のための怒り、がサトイモには理解できなさそうだ。
休みの最終日は、子育て相談に行く日。
去年も受けたIQテストの結果をもとに、発達について専門家のアドバイスをもらった。
それについては、また次回。