先週、三学期2日目である木曜日は通級教室の日。
サトイモは学校には登校しなかったので(出席扱いにはなるけど)、夕方、担任の先生から連絡をもらった。
内容は翌日の時間のお知らせと、体育で行う内容の事前連絡。
見通しが大事、というサトイモの発達特性を踏まえた、担任の先生の配慮だ。
今年も気遣いに感謝。
それに加えて、金曜日は3時間目になかよし学級(特別支援学級)で「なかよしの会」というのがあるため、ぜひそちらに参加してくださいとのことだった。
来年からなかよし学級に移るので、早くなじめるようにと、月に何回か、体験の機会をもらっている。
それに、「なかよしの会」のようにいつもの授業ではないほうが、学校に行ってみようかという気になるかもしれない。
なかよし学級は少人数制で自由度が高いため、サトイモは好感を持っている。
きっと「なかよしの会」も楽しめるだろう…、と、担任の先生も私もそう思いこんでいたのが、大間違いだった。
今年初の大波乱
金曜日は、遅刻して2時間目から登校したサトイモ。
いつでも早退の電話連絡がもらえるように待機していたけれど、午後になっても連絡はなし。
3時過ぎ、放課後等デイサービスからアプリ経由で入室通知があったので、一日を順調に過ごせたんだな、と思っていたら、夕方先生から電話がかかってきた。
なかよしの会でサトイモが大暴れしたという。
何度も脱走し、先生たちに追いかけられ、逃げ場をなくし、ジャージや椅子を振り回して暴れたそうだ。
ジャージを振り回したとき、なかよしの先生の額にジッパーの金具が当たり、ケガをさせてしまったという。
先生にケガをさせた?!?!
なんちゅー問題児!!
謝りに謝る。
ケガをした先生はすでに出張に出てしまったとのことで、この日に直接謝罪することはできなかった。
なぜ、なんのために?
担任の先生によると、なかよしの会でみんなでビデオを観ていたときに、サトイモは脱走しはじめたということだった。
サトイモは朝からずっと、
「なかよしの会って何をするの?」
と担任の先生に何度も尋ねていたそうだ。
でも、担任の先生も「なかよしの会」で何をするのか詳しく聞かされていなかったため、
「きっと行けばわかるよ」
としか言えなかった。
なかよし学級に行ってからも、サトイモはなかよしの先生に何度も何をするのか尋ねていたそうだ。
そして、ビデオ鑑賞が始まってからも、
「どうしてこれを見ないといけないの?何のために見るの?」
とずっと尋ねていたという。
その結果の脱走。
赤ちゃんくさい!
帰宅したサトイモ本人からヒアリングした話とも状況は一致した。
意味不明なビデオを無理矢理見せられたのが嫌だったそうだ。
「あんな赤ちゃんくさいビデオ、なんで見せられるのかわからないよ!」
サトイモは涙をこぼしながら言った。
最近、サトイモはやたらと、
「赤ちゃんくさいのは嫌!」
と言うようになった。
あんなに好きだったパウ・パトロールを、赤ちゃんくさいと言って拒絶するようになった。
たくさんあった玩具やグッズは、クラスメイトのパウパトファンの弟(ネパール人ユウヒくん4歳)に引き取ってもらった。
お正月にお姑さんのところでご飯を食べた時も、子供用食器を「赤ちゃんくさい」と言って断って大人用を使いたがり、でも用意してもらっていた食器の数が足りないので、私が子供用を使うハメになった。
「逃げ出すほど赤ちゃんくさいビデオって、どんなの? お母さんと一緒とかそんなかんじ?」
「そんなんじゃないよ…」
説明できないみたいで、なかなかイメージがつかない。
しつこく聞くと、算数のビデオで、足し算とか引き算の内容だったことだけわかった。
なるほど。
算数に関しては、学年相当が簡単すぎてつまらないサトイモにとって、さらに簡単な内容を見せられるのは、地獄だっただろう。
ほかのなかよしの児童は喜んでいたんだろうか? それとも渋々見ていたんだろうか?
子供はビデオを喜んで見るもの、という前提で見せていたんだろうか?
いろいろ謎だ。
サトイモにしてみれば、自分だけクラスメイトから離れてなかよし学級に来させられ、つまらないビデオを見せられたことで、疎外感もあったのかもしれない。
『死にたかった発達障がい児の僕が自己変革できた理由』という著作で西川幹之助さんが書いていたことを思い出した。
西川氏は特別支援学級で赤ちゃん扱いされるのが嫌で、小学校三年生から通常級に移っている。
その頃の特別支援学級と違って、今は知的障害と情緒障害が分かれている。
それぞれの特性に沿った指導がされているはずで、情緒の支援級なら赤ちゃん扱いされることはないだろう、と私は楽観視していた。
でも、『なかよし学級』で一括りにされて、通常級より簡単な内容を丁寧にやりますよ、という時間をたっぷりとられたら、サトイモはなかよし学級が嫌になってしまうかもしれない。
サトイモには「丁寧な説明」が必要だけれど、それは「理解できない」からではない。それを間違えられてしまうと、「なかよし学級もつまらない、行きたくない」となってしまう可能性大だ。

逃げグセをやめよう
サトイモの困ったところは、嫌になるとすぐに、
「もう逃げるしかない」
となるところ。
でも、学校には逃げ場はない。
勝手にどこかへ行かれて、ケガをしたり行方不明になったら、学校側の管理責任が問われてしまう。
クールダウンできる場所はない。
逃げると追いかけられる。
追いかけられると、サトイモは恐怖からパニックを起こす。
ジャージを振り回したのも、
「こっちに来ないで!」
と言って防御していたのだと本人は言っていた。
窮鼠猫を嚙む。
サトイモを追い詰めないでほしいのだけれど、学校には逃げ場がない。
保健室には行くな、サポートルームは利用するな、職員室には入るな。
「今後、逃げ出すようなことがあれば、早退させてください。連絡いただければすぐ迎えに参りますので」
私から担任の先生にはそうお願いした。
問題を起こすくらいなら、学校行けなくてもいいわ。
謝って謝って謝って謝って謝ってまいります
三連休明けの今日、どうせ学校には行かないだろうと思っていたら、サトイモは私たちと同じ6時に起きてきて、一緒に朝食を食べた。
ぐずりもせずに登校。
うれしい誤算。
ていうか、行けたり行けなかったり、その違いが何なのか、いまだに掴めない。
私は一緒に登校して、ケガをさせた先生に謝罪に行った。
サトイモにも一緒に謝るようにと促したけれど、
「もう謝った!」
と言って、再度謝罪することはしなかった。
それどころか、
「こんなことしてたら遅刻しちゃう!」
と怒り出し、教室へ行ってしまった。
なんて態度や!
以前までの私なら激怒しただろうけれど、ここで怒って無理矢理頭を下げさせたところで、また暴れるだろうから、私だけが謝罪するだけにとどめた。
にしても、謝罪するって、難しい。
通常なら、「もう二度とさせません」とか「よく言い聞かせますので」とか言うべきだけれど、そんなウソはつけない。
親が「二度とするな」と言い聞かせてなんとかなる子どもなら、こんなことになっていないからだ。
余計な言葉は言わずに、ただ「申し訳ありませんでした」で押し通す。
今年は何回、先生や誰かに謝ることになるだろう。
とにかく、謝り倒す覚悟でいく所存。












