奇才サトイモの元気が出る発達日記

発達障害(ADHD&ASD)の疑いがある息子サトイモの子育て日記です。

サトイモの幼稚園卒園

とうとう、サトイモが幼稚園を卒園した。

職場の先輩が昔、

「人生で一番感動したのは子どもの卒園式。あんなこともできなかった、こんなことも無理だったのが、今はこんなに大きくなった、と思ったら涙があふれて止まらなかった」

と言っていた。

実際振り返ってみると、幼稚園の3年間の成長は著しい。

いよいよ卒園だと思うだけで、私も涙がこぼれそうだった。

 

卒園式の服装

卒園式の服装について、自分は何を着ればいいのか考えていた。

入学式は和装にしようと思っているので、幼稚園の卒園式は簡単で済ませることにして、持っているグレーのスーツに新しくブラウスを買い足した。

夫も普段来ているビジネススーツを着る。

サトイモは制服のスモック着用だから考えなくても大丈夫だろう。

 

…と思っていたら、朝、夫に、

サトイモの制服の下の服と、ズボンは用意しとんか?」

と言われて、えっ!?となった。

全然考えてなかった…。

どうしよう…。

上は制服だからどうでもいいけど、特にスボンはろくなものがない!

苦肉の策で、こうなったら園の体操服でも着させておけ!

と上下とも体操服を着させた。

幸い、体操ズボンは紺の長ズボンなので目立たないはず。

 

ところが、幼稚園に行ってみたら、ほかの子はめちゃくちゃ着飾っていた。

スモックの下は襟付きシャツにネクタイ。

蝶ネクタイの子はスモックからはみ出している。

女の子はもっと派手で、ヒラヒラのドレスにスモックを羽織っている状態。

うわ~、私、やらかしてしまった…。

 

それはまったく別として、サトイモは朝、まさかの登園拒否。

理由は全くわからない。

今日は幼稚園行かないよ~!とダダをこねるのをなだめすかし、無理やり準備をさせた。

体操服だから無理やり着させることができたけれど、襟付きシャツだったらとてもじゃないけど準備できなかっただろう。

 

涙もひっこむ

さて、卒園式本番。

しっかりと入場してくる姿に成長を感じる。

式は最初から卒業証書授与。

名前を呼ばれたら返事をして壇上に上がり、担任の先生から紹介コメントをもらい、園長先生から卒業証書を受け取って、

「わたし(ぼく)は大きくなったら、〇〇になりたいです」

と言って自席に戻る、という段取り。

男子の一番人気はゲームを作る人&任天堂で働く人。

ほかは医者、警察官、消防士、ユーチューバーなどなど。

野球選手、サッカー選手が一人ずつしかいなかったのは時代を感じる。

女子の一番人気は幼稚園の先生、ほかは、ケーキ屋、花屋、といったところ。

こちらは昔から変わらないなぁ。

 

そしてサトイモ

担任の先生から、「行事の準備ではたくさんのアイデアをひらめいてくれました」「とっても物知りでクラスの博士です」というコメントをもらった。

その博士が一体なんていうのかと思ったら、ちっさい声で、

「ぼくは大きくなったら、ライフで働く人になりたいです」

と言った。

ライフ!?スーパーマーケットのライフ!?

確かに、最近ライフで買い物するのは好きだけども!!

練習では、レモネード屋さんになるって言ってたのに。

スーパーの店員が悪いとは言わないけど、まさかの固有名詞!

これについての夫のつぶやきは、

「『うちの子、ライフで働きたいって卒園式で発表したんです』って店長に言うたら割引してくれへんかな」

というものだった。

せこい!

 

その時点でもたいがい涙が引っ込んでいたのだが、そのあとの園長先生と理事長のあいさつの間、サトイモがごそごそし始めた。

まずポケットからティッシュを取り出し、それをちぎって丸めて耳に突っ込む。

発達障害がある子どもは聴覚過敏なところがあって、サトイモも講堂のザワザワが嫌いだから耳栓をしたいのかもしれない、と大目にみていたけれど、その後、ティッシュを丸めて放り投げたりし始めた。

園長先生が涙目でみんなに語りかけてんのに退屈すんなよ!!

イライラ、ハラハラが募る。

その後、ティッシュを小さくちぎってヒラヒラ飛ばし始めたので、もういい加減にやめてくれ~!!!と叫びそうになった。

感動は遥か彼方へ。

そのあとは保護者代表のあいさつ。

代表のママは出てくる時点でありえないくらい号泣していて、大人が泣いてしゃくりあげながら話す姿にやっとサトイモの手が止まった。

Aちゃんのママ、号泣してくれてありがとう~!!

 

その後、卒園生みんなによるお別れの言葉や、「ありがとう こころをこめて」という歌の斉唱があった。

お別れの言葉は列ごとに立って言葉を言うんだけど、サトイモは完全にクチパク。

立ったり座ったりのタイミングだけ、前の子のマネができてきたから、一応悪目立ちすることはなかったけど、これもハラハラした。

歌ももちろんクチパクだけれど、この歌の歌詞が、

いつの間にか僕たちは一人で歩いていたよ

6年前にこの世に生まれた小さなこの命

という歌詞で、思わずウルッときてしまった。

 

最後の最後まで…

卒園式終了後は、教室に集合。

最後の担任のあいさつ、その後解散してからは自由に写真撮影大会。

思い出の場所で、先生や友達と、みんな競うように写真を撮っている。

ところがサトイモは全然写真を撮ろうとせず、早く帰りたがる。

かろうじて、隣の席の女の子のお母さんが声をかけてくれて、写真を撮った。

いつもよく遊ぶ子ではなく、私にはそれほど印象がない子だったのだけれど、その子のお母さんから、

「うちの子、サトイモ君と結婚したいらしいんです」

と聞かされて驚く。

式で後ろの席に座っていた、3歳の妹を抱いたお母さんからも、

「この子(妹)、サトイモ君の奥さんになるって」

と告げられてビックリしたけれど、一体なぜサトイモはモテるんだ!?

 

教室で一通り写真を撮ったあと、みんなは園庭に出て写真を撮る。

私もそうしたかったけれど、気が付くとサトイモがいない。

探すと、ジャングルジムで遊んでいた。

「今日は遊具を使って遊んじゃダメって貼り紙がしてあるよ」

と注意をしてやっと降りさせたのに、その後はアリの巣の観察が始まった。

お友達を写真を撮れるのは今日が最後なんだよ、といくら言ってもサトイモは無関心で、嫁候補の一人と写真を撮った以外、誰とも写真を撮らないまま、園を後にした。

何も言わないけど、体操服だから引け目に感じていたのだとしたら私の責任なので、あまりしつこく言わず。

 

唯一の救いは、出口にいた副園長先生と写真が撮れたこと。

この三年間、副園長が幼稚園のお母さんだった。

年少の頃は、当然のように副園長のひざの上に乗ってたっけ。

本当にどれだけお世話になったか、計り知れない。

この人がいなかったら、この園に通い続けるのが難しかったかも。


f:id:naminonamimatsu:20240330065845j:image

出るときに、式で飾られていた花のポットを一つずつ持って帰れた。

さくら草の1種プリムラ

夫が、「何ていう花?花言葉は?」と聞くので検索してみたら、「青春の始まりと悲しみ」ということだった。