奇才サトイモの元気が出る発達日記

発達障害(ADHD&ASD)の疑いがある息子サトイモの子育て日記です。

名探偵登場!

一昨日父が救急搬送された日、病院を出てからサトイモと実家へ行った。

「物が散乱してるのでビックリされるかもしれません」

とヘルパーさんが言うので、片付けないとと思ったのだ。

あと、新聞やコープの宅配を止めるなど、生活上のあれこれもある。

 

まず、玄関の鍵が開いていたのと、電気がついていたのでビックリした。

「もしかして泥棒がいたらどうしよう?!」

と私が玄関先でビビっていると、

「じゃあボクが見てくる〜!」

サトイモはズカズカと入っていく。

「待って待って!怖いって!」

「ママがいるから大丈夫!」

「そのママがビビってんのに、何が大丈夫だよ!!」

 

結果何事もなかったし、ヘルパーさんがいうほどひどい状態ではなかった。

冷蔵庫前にペットボトルなどの物が落ちていた程度。

ただ、階段の下、洗面所からキッチンの冷蔵庫前にかけて、床や壁が血だらけになっていた。

 

「ちょっと待って!ここに血がついていて、ポカリスエットがここに落ちているってことは…、わかった!じいじはここで犯人に殴られたんだ!」

サトイモがあちこち指を指しながら、真剣な顔で演説を始めた。

おいおい…。

最近『名探偵コナン』を初めて見たのでその影響なのか、ときどき見ている『おしりたんてい』の影響なのか。

「犯人なんていないんだよ〜。じいじが自分で倒れたのよ〜」

と言いながら、サトイモと一緒に、血の汚れを掃除した。

マイペットを吹きかけてこすると、血は意外と簡単に落ちたが、3枚くらいタオルを使った。

どうせ父が使っていたタオルは全部捨てることになるのだから、雑巾として大盤振る舞いする。

 

When、Where、Why、How

とはいえ、父がいつ、どこで、なぜ倒れたのかは謎だ。

最も血で汚れているのは、洗面所を出たあたり、階段の下からキッチンへ通じる廊下だ。

下着姿で倒れていたから、お風呂から上がったあとでキッチンへ向かう途中でひっくり返ったのかも。

だとしたら、夜に倒れたことになる。

そして、ヒートショックによる脳血管の疾患の可能性が出てくる。

「わかった!じいじはお風呂から上がって倒れたんだよ。だって身体が濡れてると、すべりやすいでしょ!そうに違いないよ!!」

またもや名探偵が推理する。

 

でも、階段の下に流血が多いから、朝起きてくる途中、階段から落ちたのかもしれない。

それなら、朝に倒れた可能性もある。

そして、原因は疾患ではなく単なる転倒だ。

 

発見してくれたヘルパーさんの話では、父はキッキンの食器棚の横で倒れていたらしい。

転倒したあと、父は自力では立ち上がれない。

それでもなんとか自力で這ってキッキンまで移動してきたのか。

でもなぜキッキンに?

本人に聞くことができないから、これは永遠の謎になってしまった。

 

謎が解き明かされる?!

奇跡的に意識を取り戻した父。

ということは、脳に障害が起きていない、つまり脳梗塞などが原因で倒れたのではないとわかる。

 

心肺停止になると、脳に血液がいかなくなり、意識障害が起きるらしい。

ところが、低体温症で身体が冷たくなっていたことが幸いして、脳がダメージを受けなかったのかもしれない、というようなことを、雑談で医者が言った。

 

呼びかけると本人はしゃべりたそうにしていたが、酸素がまだ足りないので口に酸素チューブが入っており、話すことはできない。

それでも、問いかけには答えてくれた。

「お風呂に入ったん?」

うん、とうなづく。

「上がってきてからコケたん?」

うん。

「階段から落ちたん?」

ううん、と横に振る。

「夜にコケたん?」

うん。

「ひっくり返ってから起き上がれんかったん?」

うん。

サトイモの手紙に返事書いたん?」

うん。

「投函した?」

ううん。

「探したけど見つからんかったわ。どこに置いたん?」

モゴモゴ。

「ごめんごめん、また管が抜けてから聞くわ」

 

サトイモの手紙

サトイモの手紙というのが、これ。


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先週、サトイモが突然手紙を書き出したので、郵便で送った。

救急搬送された前日の昼間、父からメールが届いた。


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お正月にサトイモが、

「じいじも一緒に初詣に行こうよ~、シニアカーに乗って行こうよ〜」

と誘ったけれど、父は、

「いいや、いかへん」

と断った。

父なりに、それを気にしていたようだ。

 

そして、返事を書いた場合らしいけれど、それが見つからない。

今度、名探偵サトイモに捜査をお願いしないと。

もし父が死んでいたら、これが最後のメール、最後の手紙になるところだった。

 

最愛の孫から手紙が来て、愉しい気持ちで死んでいったのなら、それもよかったのかなとも思うけれど、まあ、生きちゃったからね。