奇才サトイモの元気が出る発達日記

発達障害(ADHD&ASD)の疑いがある息子サトイモの子育て日記です。

これまでのあらすじ

私の息子のサトイモは、現在4歳7ヶ月。

こども園(幼稚園)の年中さんだ。

 

生まれたての頃は寝てばかりいる大人しい子だったが、動き始めてからは家の中のものを手当たり次第引っかき回す暴れん坊になった。

落ち着きがないので、お出かけは毎日大変だったけれど、小さい子というのはそんなもんだろうと思っていた。周りに相談するとたいていそう言われたからだ。

 

丸3年の私の長い育休が明け、復職したのと同時に、サトイモは幼稚園の年少さんになった。

サトイモは3月末生まれ。

他の子との発達に差があるのは当然だとは思うものの、幼稚園での生活は、最初トラブル続きだった。

2歳児のときにプレ幼稚園には通っていたものの、それとは全く違う困難さがあった。

部屋から脱走したり、イスに座っていられなかったり、列に並べなかったり。

 

ADHDなどの可能性があるんじゃないか?

そう思い始めたのはこのときからだ。

この頃のつらい気持ちは下記の日記に書いていた。

 

哀しくてやりきれない。 - 3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

 

そして、近所にオープンしたばかりの発達支援教室に通い始めた。

発達障害について、私が強く関心を持ち始めたのもこの頃からかもしれない。

 

サトイモは発達支援教室では良い子である。

でも、幼稚園では相変わらず問題児だった。

そして、幼稚園から勧められて、専門家の発達検査を受けることになった。

その結果は、このときのブログに記録している。

知能検査を受けた結果(1) - 3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

 

結果、何らかの発達障害の可能性があるだろう、と言われた。

ただし、IQが約130と高いので、知識や知能でカバーしていくことができるだろう、とも。

 

「病院で発達障害の診断を受けたほうがいいでしょうか?」

と私が尋ねると、知能検査をした専門家も、発達支援教室の先生も、ほかに相談したことのあるどんな人も、

「その必要はないと思います」

と答えた。

理由はいろいろだ。

  1. 幼児のうちは不確定である
  2. 日常生活に困るレベルではない
  3. 診断によって、発達障害というレッテルをはるべきではない(思い込みによる対応はよくない)

などなど。

 

正直、私はモヤモヤするところがあるけれど、育て方次第でなるようになるだろう。

そう、親の育て方次第。

これは責任重大だ。

 

発達障害について思うところ

最近、You Tube等で宮台真司の話をよく聴いている。

90年代、新進気鋭の社会学者として登場した宮台真司のことを、若い頃の私は、「頭はいいんだろうけどエラソーでいけすかない奴だなぁ」と食わず嫌いしていた。

なのに今になって傾倒するなんて、私がやっと宮台氏の言っていることに追いついたんだなぁ、と思う。

 

宮台真司が言っていた話の中で、発達障害の存在意義について言及するものがあった。

ザックリ私が理解したのは、こういうこと。

皆が同じ行動をしていたら全滅していまう。

皆と違う行動をする人間がエラーとして生まれてくる。

皆が右に行って滅亡しても、左に行った変わり者たちは生き残る。

遺伝子が多様性を生むのは、生き残る可能性を高めるためだ。

皆と同じ行動がとれない、空気を読まない、常識にとらわれない、といった発達障害の特性は、不確実性の時代にとって必要な能力である…。

 

宮台氏の話が、今の私に居心地が良いのは、サトイモは宮台氏の話によく出てくる「劣化したクズ」の正反対だということだ。

サトイモは指示待ち人間とは真逆で、放っといたらいくらでも自分で遊びを作り出す。

なんでも知りたいしやってみたいし、人との関わりに対して全く物怖じしない。

 

上手くいけば、サトイモは大物になるかもしれない。

下手に育てれば、落ちこぼれのアウトローになるかもしれない。

発達障害のことを、障害という言葉を避けて「発達凸凹」と書いていた本があったが、発達デコボコは人生もデコボコになるに違いない。

 

発達障害児が生まれる原因として、「妊娠中に母親がストレス下にある」というのを読んだことがある。

妊娠中、まさに私は困難な状況にいた。

未婚だったし、母の介護をしなければならなかったし、父は無頓着で、頼れる身内がいなかった。

子育てができる家探しから、資金繰り、引越し作業…。

そうこうしていたら、母が緊急入院、病状に対する覚悟、そして転院…。

サトイモはそんな私のストレスを受けて発達障害を持って生まれてきたんだろうか、と思うと、申し訳なくて仕方なかった。

 

それが、生き残りをかけた遺伝子の多様性戦略と合わせて考えれば、それも納得がいく。

母親がストレス下にあるような環境なら、それに対応できるような変わり者じゃないと。

フツウじゃ生き残れない。

 

宮台氏本人も、自身がASDADHDの併発だとツイートしている。

ほかにも、発達障害がありつつ、才能が開花している人は多い。

サトイモだって大活躍できる可能性を秘めているのだ。

うまくいけば、という条件つきだけれど。

 

うまくいくかどうか、トライ・アンド・エラーについて、このブログに記録していこうと思う。

 

それに、私はASDの傾向はないけれど、忘れ物とうっかりが人一倍多くて、もしかしたら私もADHDなのかもしれないなぁと思うことがあり、発達障害について考えることは自分発見のヒントにもなっている。

子育ては親育てと聞いたことがあるけれど、サトイモより私のほうがずっと育っている気がする。