奇才サトイモの元気が出る発達日記

発達障害(ADHD&ASD)の疑いがある息子サトイモの子育て日記です。

ゼロからスタートな体育活動

昨年6月から、サトイモは幼稚園のスポーツクラブに参加していた。

幼稚園の課外活動で、外部のスポーツ塾の先生による指導が園庭で受けられる。

内容は、かけっこ、マット運動、鉄棒、跳び箱、縄跳び、などなど。幼児専門のスポーツ指導だ。

もちろん、有料。(入会費と月謝!)

 

私が仕事をしているため、習い事をさせたくても送り迎えが大変。だから園内で習い事ができるのはとても ありがたい。

サトイモが「できる子」なら年少の頃から入会させたかったが、あまりに先生の指示を守れないので、参加を諦めていた。

年中になって、やりたいかどうか本人に尋ねると、仲の良いお友達数人が参加していることもあって、

「ぼくもやりたい」

と言った。

「がんばるぞ!」

とまで。

 

ところが、というか、案の定、というか…、参加して2、3回すぎると、だんだん先生の指示に従わなくなり、夏頃にはグダグダになった。

気分によってやったりやらなかったり。

やってみてダメなのではなく、最初から何もしないで、園庭の遊具に逃げるのだ。

それでいて、みんなでゲームをする時間だけはちゃっかり参加する。

 

幼稚園の担任の先生がそんな様子を見ていて、

「半分も参加してないから、月謝がもったいないくらいです…」

と教えてくれた。

スポーツクラブの指導員の先生に尋ねると、

「まだまだこれからですよ。今辞めると逆にもったいないですよ」

と言う。

営利団体の指導員だから、一人辞めたらそれだけ月謝が減るからそう言うのだろう。

 

「今度ちゃんとやらなかったら、もうスポーツクラブはやめさせるよ!」

と私が脅すと、最初は、

「次はちゃんとやるよ〜」

と言っていた。

しかしそれも続くと、

「もういいよ〜、もうやめる〜」

とやる気がなくなっていった。

 

通級教室の先生のアドバイス

一番問題行動が多かった夏頃、スポーツクラブについて通級指導教室の先生に相談した。

先生は、

「無理にやらせて、運動全般を嫌いになったら逆効果なので、やめたほうがいいような気がしますね」

と言ったうえで、

「でも、『ダメだったらやめさせる』という前提で『やめさせられた』となったら、彼には『僕はできなかった』という自己否定感が残りますよ。何か、頑張って終わりを迎えた、とか、別の理由で終わることになった、とか、『ダメだからやめる』ではない方向に持っていきましょう」

とアドバイスをくれた。

 

それから半年。

うまい言い訳でやめるタイミングを見つけられないまま、結局、サトイモは年度いっぱい、スポーツクラブに「参加」し続けた。

 

保護者参観日

先日、そのスポーツクラブの今年度最終日を迎えた。

総仕上げということで、保護者参観も行われた。

参観は自由参加だったが、私も会社を早退して見に行った。

 

「先生が、手をパンっ!と叩いたら、みんな立ちます。いいですか? はい、パンっ!!」

感度の良い子は、パンでサッと立ち上がる。

鈍い子は1テンポ遅れて立ち上がる。

うちの子は、みんなが立ち上がったのを見て、ようやく立ち上がる。

 

すべてがその調子で、

「ボールを取ってきてください」

「縄跳びの縄を箱にしまってください」

「コーンの前に並んでください」

どんな指示も、サトイモが最後。

ひどいときは、

「先生の周りに集まってください」

と言われても一人別の場所で別のことをしていて、

「さぁ、まだ集まってないお友達がいます。みんなで呼んでみましょう!せぇの!サトイモく〜ん!!」

と呼ばれてようやくやってくる始末。

 

普通の親なら、それだけで恥ずかしいと思うだろう。

でも、私からすれば、みんなが立ったことに気づいて立ち上がれたし、皆に呼ばれたら集まれたし、それなりに「参加している」と思えた。

成長したんだなぁ。

 

クレイジーケンバンドの『ZERO』という曲に、

「マイナスからのスタートで今やっとZERO」

というフレーズがある。

3月生まれで発達障害があるかもしれないんだもの、皆と差があって当然。

とりあえず参加できてる、ゼロ地点に立ててるだけでオッケー!

 

負け試合はやらない主義

とはいえ、サトイモが全然できていないことも目についた。

縄跳びのときに、前跳びと言われているのにひとりだけ後跳びしているのに気がついた。

しかも全然できていない。

回して、ヨイショ、と後退りするだけ。

しかし、間違っているのだと思っていたが、後跳びのときには前跳びしていた。

もちろんこれもできていない。

跳び箱も跳べなくて、前まで行ってジャンプだけしてお茶を濁し、先生に抱っこされてなんとか跳び箱の上を通過するものの、

「先生が抱き上げて上げるから、このタイミングで足を開いてみよう」

と言われても、足を開こうとしない。

一生懸命やってできないのではなく、ふざけてできない姿に、私はすごくイライラした。

 

なんであの子はあんななんだろうか。

と、ツラツラ考えるに、「プライドが高いのではないか」という点に思い当たった。

「できない自分」がかっこ悪くて、「やればできるんだけどフザケてできない風を装う」のでは?

サトイモはどうやら、負ける試合に全力で挑まない主義なのだ。

 

サトイモが仲良くしている女子たちは出来すぎる子たちで、スポーツクラブでもすごい能力を発揮している。

中でも、リコちゃんという子はあまりにズバ抜けているので、マット運動で皆が後ろまわりを練習しているときに、一人だけバック転の練習をしているというレベル違いだ。

もちろん、サトイモは後ろまわりですらまともにできない。

 

できる子たちに囲まれて、できない自分に引け目を感じてしまうだけなら、やっぱりスポーツクラブはやめたほうがいい。

 

参観終了後、私はサトイモを連れて、スポーツクラブの先生に挨拶に行った。

年中さんいっぱいでスポーツクラブはやめることを伝え、これまでお世話になりましたと挨拶をした。

サトイモもきちんと挨拶できた。

 

ダメだったからやめるのではなく、区切りいっぱいやってから、やめることができた。

サトイモはどうかわからないけど、私はそれで満足している。

マイナスからのスタートで、4月からもやっとゼロ。