奇才サトイモの元気が出る発達日記

発達障害(ADHD&ASD)の疑いがある息子サトイモの子育て日記です。

明鏡止水の心境であります

昨日の朝6時に起きたら、サトイモがまだドラえもんを見ていた。

ドラえもん映画をぶっ続けで10作品観たらしい。

ドラえもんすごい!AmazonPrimeすごい!

…じゃなくて!

朝まで眠らなかったサトイモがすごいわ。(2、3時間おきに様子を見てたけど、本当に全然寝てなかった。)

私なんてオールナイト上映の映画館で、どんなに寝ないぞと誓っても爆睡してた。

夫なんてテレビをつけてソファに寝転んだ瞬間眠ってるのに!(でも寝てない、観てると言うおじさんあるある。)

 

この夜、サトイモは頑なに薬を飲まなかった。

翌日のスケジュールを事前に紙に書いて伝えていて、午前中病院受診、午後5時間目のみ登校となっていた。

小学校登校のお試し第一回。

もしかしたら、その登校が心理的負担になって、眠りたくなかった、もしくは眠れなかったのかもしれない。

 

うれしやありがたや

朝になってからサトイモは就寝。

それで午前中に起きるはずなく、眠っているまま自転車の後ろに乗せて病院受診。

睡眠薬のお代わりをもらうのが目的。

小児科医に、薬やベッドに入ることを拒絶するのでなかなか睡眠が改善しないこと、ちょっとしたことで暴れるようになったこと、暴れたときの記憶がないこと、夢と現実が混同すること、などを伝えた。

先生は、

「小さい子には、イマジナリーフレンズなど、空想がごっちゃになるのはよくあることですけどねぇ」

と最後の点について軽く感想を述べた。

私が心配している、解離性障害のような深刻な病気の可能性を感じさせない言い方だった。

「親御さんがケガをするほど暴れるというのはなんとかしないといけませんし…、イライラを落ち着かせる薬を出しましょうか」

そして、リスペリドンという子どもでも飲める抗精神病薬を処方してくれた。

うつ病統合失調症でも使う薬で、ピリピリする脳の興奮を静めてくれるらしい。

眠くなる副作用があるので、一応夕食後に飲むことに決めたが、朝昼夜食前食後いつ飲んでもいいし、嫌なら飲むのをやめても問題ないということだった。

これこれ!

こういうのを待ってたのよ〜!!

ありがとうございます、ありがとうございます!と喜びまくって退出。

 

絶対に叱らない

その後サトイモは家でまた眠って、午後1時半、小学校へ連れて行く。

これまでも、放課後に学校で担任の先生とは二度面談をした。

スクールカウンセラーとの面談にも行けた。

小学校の門をくぐることに抵抗はない。

担任の先生との話し合いで、まずは1時間だけ試してみようという話になった。

内容は、アサガオの花を使った色水遊び。

夏の間、しぼんだアサガオの花をコツコツ集めて冷凍していたものを(他の子は知らないが、うちはもっぱら私がやった)、潰して色水にし、和紙に染色する。

他の子はもちろんとっくに図工の授業で体験済み。

それを、図工の先生がわざわざサトイモ一人に時間をとってくれて、別室でやる。

「楽しかったから、サトイモくんもやってみようよ」

決してサトイモも嫌ではなかったはずだ。

 

それなのに、学校に着いた瞬間、寝ている間に学校へ連れてこられたのをサトイモは激怒り。

「余計なことしやがって!」

と逃げ出した。

私は先生方に平謝り。

結局、図工の先生から染めるための半紙と、休んでいる間のプリントなどをもらっただけで、何もせず家に帰った。

まだ学校に行くのは早かったか…。

 

ハイド氏が顔を出す

家に帰って、私と二人で色水遊びをした。

こんなかんじ。

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あとは将棋をやったり、トミカで遊ぶなど。

遊びらしい遊びをしてくれるうちはいい。

けれど、洗面所で泡遊びをされたり、お風呂場の物干しポールを外したり、印鑑をだしてきて壁に押したり、裁縫道具を出してきてカーテンレールから絹糸を部屋中張り巡らせるなど、ちょいちょい私の怒りに触れる行動をとった。

でも、もう私は怒らない。

明鏡止水の心境であります、とは愛人問題で辞職した総理大臣の退任の言葉だったけど、今の私はまさにそれ。

 

サトイモは、「怒られたらいつでも他人格のハイド氏を登場させて暴れるぞ!」という匂いをぷんぷんさせていた。

よーし、よしよしよし。

猛獣を相手にするムツゴロウさんのごとく、こちらも狂気を内在させつつ、それでも穏やかに、穏やかに。

何事も起こらないうちに早く薬を飲んでほしかったが、サトイモはずっと拒否。

薬を混ぜるために出したプッチンプリンも、持って逃げてクローゼットの中で隠れて食べてしまった。

 

それまでなんとかうまく押さえていたのに、ハイドサトイモは午後8時に登場した。

「今日もドラえもん見せて!今日も寝ないで朝までドラえもん見るよ!まだ見てないのがあるんだよ!」

ハイドサトイモの要求はドラえもんである。

見るためにはファイヤースティックのロック解除が必要だ。私にしか権限はない。

「それはちょっとなぁ…」

渋る私に、

「さもないとぉ…」

と攻撃をしかけてきた。

猪突猛進。

そんなパンチなんか、クッションでいなす!

でも、体当たりにかすり、先日新調したばかりのメガネが少し歪む。

くそぉ、高かったやつなのに〜!!

それでも明鏡止水!!

私は例のごとくサトイモを押さえ込みつつ、このまま戦いになってはいけない、とテロリストと交渉することにした。

「わかった、ドラえもんは見せる。でも、その前に薬を飲んでもらう!いい?」

「わかった、飲むよ」

「見せるけど、映画一つだけね!」

「なんで一つだけなんだよ!朝まで見るよ!」

「まず薬を飲もう。放すよ」

 

チョコチップ入りアイス(小児科医のオススメはハーゲンダッツだが、うちではエッセルスーパーカップ)で、サトイモ睡眠薬抗精神病薬を飲んだ。

そして、『ドラえもん のび太の宇宙英雄記』を見始めた。

「1時間40分経ったら、様子見に来るからね」

と私はスマートウォッチのタイマーをかけて、ベッドルームへ。

本を読みながらすぐ寝落ち。

気がつくとサトイモがやってきて、

「眠くなったから寝るよ」

と言う。

まだ1時間ほどしか経っていない。

「のどがかわいた。お茶入れて」

と言うので、お茶を用意して持ってきた頃には、もう眠っていた。

 

これまでの私だったら、頑なにドラえもんを拒んで、殴りかかってくるサトイモを泣き叫ぶまで押さえつけていただろう。

押してもダメなら引いてみな、とはよく言ったものだ。

薬が効いたおかげとはいえ、親が折れたほうが丸く収まるというよい学びになった。

結局、私の頑固がここまでサトイモをこじらせてしまったのでは、という後悔を強くする。

「親は毅然とした態度で」

それが正しいと思い込んできた。

「ダメなものはダメなんです!」

と、私の心の中で土井たか子がマイクパフォーマンスをしてきた。

そして親の本気を見せるために、できる限り恐ろしい形相で叱りつけてきた。

でも、発達障害がある子どもに、それは間違った方法だったと思う。

すべてにおいて正しいことなんてないし、絶対のダメなんてないのだ。

 

最近、不登校に関連したニュースでスダチという団体の名前を見る。

再登校をサポートする不登校支援団体だ。

WEBでしか知らないから公平な目で判断しかねるけど、スダチのやり方はやっぱり問題があるような気がする。

というのも、スダチのWEBページの中に「親は毅然とした態度で」という言葉が散見するからだ。

それで上手くいくこともあるかもしれない。

でも、悪化する家庭もあるだろうな。

少なくともうちは合わないと思う。

 

かつて登校渋りが始まった頃、神戸市の特別支援相談ダイヤルにかけたとき、相談員の男性は、

「下校時に笑顔で帰ってくるなら、とりあえず無理にでも学校に行かせてください。ゴネたら休んでもいいと誤学習しないように、学校には行くものだと教えてください」

とアドバイスした。

完全な間違いだったと、今では後悔している。

また電話をかけて、あの相談員に間違ったアドバイスを非難したいくらいだ。

あのとき私が折れて休ませていたら…。

毅然とした過去の私に、今は猛省と後悔あるのみ。

 

調子が悪いとは

朝4時頃、サトイモが「ママ〜、ママ〜」とうなされる。

夢の中なのか起きているのかわからない。

「調子が悪いよ〜」

と言う。

どこが?お腹?頭?と聞いても答えない。

「こわいよ〜」

とりあえず、

「ママはここにいるよ」

と呼びかけながら、お腹をマッサージしたり、背中をさすったりする。

それ以上のことはなく、すぐに眠った。

昨夜は0時前に眠ったのに、まだ寝ている。

抗精神病薬の副作用じゃなかったらいいけど、と不安。

今日は午後に放課後等デイサービス。

帰り渋りがなければいいが。