2024/10/27(日)
サトイモと夫と3人で、但馬やまびこの郷の「やまびこフェスタ」に行く。
やまびこの郷とは、兵庫県立の不登校支援施設で、朝来市にある。神戸からはけっこう距離があるので、夫に車を出してもらわないとなかなか遠い。
もちろん行くのは初めてで、雰囲気を知りたくて参加。
申込みを前提に私は所長と面談。夫とサトイモは施設内散策。
帰り道、サトイモが自販機のアイスが欲しいとゴネるが買わないでいると、
「アイスを買うか、夜中12時に散歩に行くか、一万円くれるか、そのどれかだよ!」
とテロリスト条件を出して車内で眠ってしまう。
自宅に帰ってからも眠り続けていたが、23時半に起き出し、散歩に行くと言い張った。
私が根負けして、二人でコンビニまで散歩。
チョコバット一本買って帰る。
2024/10/28(月)
午前中、サトイモの遊ぼうよ攻撃に耐えかね、これまで外部接続していなかった「じいじのスマホ(現サトイモ用)」をWi-Fi接続し、新しいゲームをダウンロード。
私の同僚で、やはりお子さんが不登校というNさんと、サトイモも連れて西宮ガーデンズでランチの約束をしていた。
出かけるときになって、サトイモが自転車で行くとゴネる。グーグルマップを出してそれは無理だと説得。
その後、タクシーで行くとゴネるが、値段が高いことやうちの経済事情を説明しつつ、はぐらかしながら駅まで歩く。
駅前まで来たところで、
「タクシーに乗るか、1500円くれるか、どっちかだよ!」
とまたゴネ始めたので、
「行きたくないなら断ろうか? それとも、サトイモはおうちで一人で留守番する?」
と尋ねると、
「ボク一人でおうちに帰る!カギちょうだい!早く!」
と癇癪を起こすので、カギを渡すと元来た道を走って行った。
どうしようか迷ったものの、背徳感を感じつつ、私は電車に乗って西宮ガーデンズへ。
同僚もサトイモのことをめっちゃ心配してくれたけれど、覚悟を決めて三田屋のステーキランチを美味しく楽しく食べて帰る。
サトイモは、留守宅でスマホでゲーム。これまでWi-Fi接続されていなかった分、思い切り遊べたようで、ご機嫌で待っていた。
サトイモは私宛に「ワガママいってごめんなさい」と手紙を書いてくれていた。
セラピーを申し込んでいた神戸大学心理教育相談室から電話がある。
20日ほど待たされて得た返事は、病院の紹介状が必要とのことだった。
2024/10/29(火)
サトイモは放課後等デイサービス。
レストランごっこがめちゃくちゃ楽しかったらしい。火曜日でのお友達もできたと喜ぶ。
2024/10/30(水)
兵庫県立こども病院の精神科受診。
待ち時間が退屈で病院内を走り回る。
主治医の男性の先生に、サトイモがめっちゃなつく。サトイモと先生との面談は5分もなかったのに、どんなマジックを使ったのか。
私との面談は1時間半ほどで、いろいろ聞かれる。
私が解離性障害の心配をもらすと、
「子どもが大暴れしているときに記憶なんてないもんです」
「発達障害の子どもが過去の記憶がごっちゃになることはよくあります」
というかんじで、鼻であしらわれる。
「自閉症スペクトラム、注意欠如・多動症」の治療計画をもらう。
睡眠障害の薬メラトベル、抗精神病薬のリスパダールに加えて、ADHDの薬インチュニブが出される。
「新しい薬を出したから、次来たときにどうだったか教えてね」
と先生が言うと、
「味はおいしいの?」
とサトイモ。
「どうかな。先生は飲んだことないから」
「おいしいかどうか研究してくれないと、病院の意味がないじゃないか!」
めっちゃ上から目線や!
終了後はこども病院周辺の公園で夕方まで遊んで帰る。
2024/10/31(木)
こども家庭センターの検査の日。検査は3日目。本当は2日で済むところ、サトイモが逃げ出したので、まだ少し項目が残っているのだ。
行きたくない、というのを、イオンで何か買ってあげるとか新札のお札をあげるとか、モノで釣ってなんとか連れ出す。
イオンのバーガーキングで早めの昼食を食べ、ジョーシンで延長コード(!)を買い、西松屋でサトイモの冬服を見ようとしたところで、サトイモが床に寝転んで動かなくなる。
イオン内の子どもが遊べる広場まで抱っこして運び、人工芝に寝転がせると、そのまま死んだように眠ってしまう。
インチュニブのせいだろうか。
結局、こども家庭センターはキャンセル。
夜、錠剤は飲まないと言って、インチュニブはボイコットされる。
2024/11/1(金)
金曜日は放課後等デイサービスの日。
火曜日がめちゃくちゃ楽しかったためか、朝から早く行きたいと楽しみにしていた。
サトイモに遊ぼうとせっつかれながらも、私はいい加減、秋冬物を出さないとと切羽詰まって衣替え作業。
昼を過ぎてから、早く放デイに行きたい、待ち切れない!とサトイモがゴネ始める。
お迎えの時間が決まってるんだから早くって言われても仕方ないでしょ、と私が取り合わないでいると、積んでいる衣類を私に向かって投げ始めた。
久々の暴力行動。
「今すぐタクシーで行こうよ!早く行こうよ!さもないと…」
と攻撃が始まった。
取り合わないでいたけれど、だんだん動きが怪しくなってきたので、
「じゃあ電車で行こう。早く行ってもいいか電話で聞いてみよう」
放デイに電話で相談する。
結果、予定より30分早く迎えに来てくれることになり、サトイモも電話が緩衝材になって少し落ち着く。
夜の服薬は、インチュニブだけでなく全てボイコット。
2024/11/2(土)
大雨のため家で過ごす。
夫が建て付けの悪いクローゼットを修理したり、壊れた室内干しラックを分解したりするのをサトイモが見学したり手伝ったり。
途中、室内干しラックの分解したパイプを、
「孫悟空の棒だよ」
と振り回すので、危ないからとやめさせ、こっそり棒を隠す。
夜、私がお風呂に入っていると、サトイモが再三、早く上がって一緒に遊ぼうと急かしに来る。
すると、様子がだんだん変化。
「孫悟空の棒、どこへやったの!」
私が答えないでいると、次は別のパイプを持ってきて、
「孫悟空の棒がどこにあるか答えないとこうだぞ!」
と棒を振り回してきた。
なんとか防戦したあと、お風呂を上がると、サトイモは夫に押さえつけられて叫んでいた。
割って入ってやめさせる。
私が入浴中何があったのかは定かではないが、夫からは、
「サトイモに薬飲ませへんからや!」
と私が理不尽に怒られる。
夫がサトイモをリリースすると、またパイプを振り回し始めた。
サトイモを夫と対決させてはいけないし、攻撃から逃げるためにも夫と二人で奥の部屋に閉じこもった。
すると、それが気に入らないサトイモはパイプでドアをガンガン叩き、もう少しでドアが破壊されそうな勢いだった。
夫は部屋を出て俺がなんとかする、と言うけれど、それはつまりサトイモをやっつけるということなので容認できず、なだめて我慢してもらう。
ドア越しに私が説得を続け、ドアが壊れる前になんとか収まる。
これでドアに穴が空いてサトイモが顔を出したら『シャイニング』だった。
これからは凶暴化したサトイモをニコルソンと呼ぼう。
その後、部屋を出た夫にまたサトイモが攻撃しようとして、洗面所でもめる。
またもやお風呂のドアが割られて大穴が空く。
応急処置も2回目となれば手順も慣れたもの。(右が以前、左が今回。)
その後、落ち着いたサトイモにチョコレートアイスで薬を飲ませる。
さらに鎮静化。
サトイモが自分から、
「パパ、ごめんなさい」
と謝りに行くが、夫は「絶対許さん!」と取り合わず。
サトイモはそのあと、夜の散歩に行くと言い出し、また付き合わされる。
散歩しながら、これまでで一番落ち着いて話ができた。
自分がやっていることの記憶はあること、あとで自分が悪かったとわかること、でもこれまでは謝れなかったこと。
神社では、とにかく気持ちが落ち着きますように、穏やかに過ごせますように、と祈る。
2024/11/3(日)
昨夜あんなことがあったのに、サトイモはもちろん夫の機嫌も治っていて、何事もなかったかのような日曜日。
昨日の大雨から一転、あまりによい天気なので、六甲山にハイキングに行こうという話になる。
13時出発と言ったのに、サトイモはまた、
「早く行こうよ!待ちきれないよ!」
と一人焦っている。
冷蔵庫のパックのぶどうジュース(要冷蔵)を持って行くというので、常温保存の小さいパックジュースか、家にあったペットボトルのミックスジュースか、粉で作ったポカリを入れた水筒を提案したが、どんな提案も受け入れない。
だんだんゴネがエスカレート。
じゃあ、ぶどうジュースを水筒に入れるのはどう?と私が最大限譲歩したにもかかわらず、サトイモの主張はズレていき、今から自販機でペットボトルを買いにいくから二百円出せと言う。
だったら自分のお小遣いで買いに行きなさい、という私を、サトイモはなぐりかかったり首を絞めたり。またもやニコルソン化。
夫が車の準備から戻って来て、もめている私達を引き剥がしてくれた。
結局、私がサトイモに百円渡し、サトイモと夫が近所の自販機にジュースを買いに行くことで丸く収まる。
六甲山は行楽客でいっぱい。
サトイモは行きの車で爆睡。
ハイキングコースに降りたところで、サトイモが行きたくないとゴネて、あきらめて帰る。
一体何をしに来たのか。
ニコルソンと名付けたけれど、今Netflixで観ている『極悪女王』の松本香からダンプ松本への変身も、サトイモの凶暴化に近いかもしれない。
ニコルソン化またはダンプ化。