サトイモはまだこども家庭センターでK式発達検査を受けている。
来月にもまだ続きを受ける予定。
去年初めてこども家庭センターを訪れ、発達検査をすると言われて、WISCのような知能検査を受けると思っていたら違っていた。
「発達検査はケーシキです」
それ以上何の説明もなかったので、勝手に、
「形式的な検査か。なんか形式的にやったよ~みたいなかんじ?」
とふんわり思いこんでいた。
あるとき、児童発達関連の本を読んでいて「K式発達検査」というものがあるのを見て、
「もしかしてこれだったのかぁぁぁっ!?」
と自分のアホさに気が付いた。
ていうか、K式です、って言われてパッとわかる保護者っている? こっちは素人なんだからもうちょい説明してくれよ~。
とにかくK式検査を毎月ちょっとずつやっていて、まだ来月も行くんだけど、サトイモが心理士さんと検査をやっている時間、私はこども家庭センターの担当者と近況報告などを行う。
今回は、ぼちぼち学校に行けていること、去年と違って今の担任の先生は配慮してくれていること、マイクラとYouTubeのことで一回暴れたこと、それ以外はおおむね順調に過ごしていることなどを話した。
マイクラについては、Switch2が手に入ったら導入するつもりだという話をすると、
「サトイモくんはマイクラめちゃくちゃはまりそうですね。マイクラをやる前には、ゲーム時間だとか、外部とのやりとりや、課金についてルールをきちんと決めてからにしたほうがよさそうですね」
と担当者に言われた。
いやまじでそれは大事。
「特に課金は、親のクレジットカードを勝手に持ち出したりして大きなトラブルになる場合も多いですから」
とのこと。
いやまじでそれは大変。
ドケチなのか慎重なのか
ただ、私はサトイモの課金については楽観視している。
というのも、サトイモは「じいじのスマホ」でスマホゲームをやっているが、絶対に課金しようとしないからだ。(もちろん、しないように言い聞かせている、物理的に不可能にしている、というせいもある。)
課金どころか、ゲーム内で得たコインを使ってパワーアップアイテムを買うことすら、ほとんどしない。
その傾向はゲームセンターでもだ。
ときどき買い物に行くイオンにあるゲームセンターで、10円で遊べるクレーンゲームがある。
ミニサイズのチュッパチャプスやクッピーラムネ、キットカットなどがゲットでき、小さい子どもに大人気だ。
まず100円玉を10枚、10円玉に両替して遊ぶ。
ほかの子どもはバンバン連続して入れていくのだけど、サトイモは一枚一枚慎重にプレイする。
5回ほどやったところで成功し、大喜びでラムネを一つゲットしたら、もう席を立つ。
「もういいの?!」
残りの50円は財布に戻す。
今度はメダルゲームがやりたいといって、100円で10枚のメダルゲームをやる。
こちらは200円くらいで満足。
それどころか、そのうち2枚くらいを財布に入れる。
「これは記念に持って帰るよ~」
サトイモが慎重かつドケチであってくれてホッとする反面、もっと突っ込まないと何も得られないぞ!男ならドンと勝負せえよ、という気にもなる。
ドラクエはじめました
ゴールデンウイーク、Wi-Fi切断生活をしていたとき、私が昔遊んでいたDSのゲームを出してみた。
2009年の『ドラゴンクエストⅨ 天空の守り人』である。
私が遊んでいた「なみのすけ」のデータを消すのはちょっとさみしかったけれど、「サトイモ」のデータを始めるためには仕方ない。
サトイモはまだコマンドをスラスラ読めないので、私が横について読み聞かせをしながら、操作方法を教えつつゲームを進める。
モンスターと闘って、レベルが上がって、壺や宝箱からアイテムをゲットして、というのは楽しいようだけれど、ストーリーにはついていけない部分が多いようだ。
かつてはヒーローだった黒騎士が亡霊になり闇落ちして、自分の恋人と間違えてほかのお姫様をさらいに来てしまって…、という物語について、
「どういう意味???」
と全く理解できないようだった。ストーリーを楽しむRPGでは致命的である。
絵本の読み聞かせをしていても、ときどきサトイモから「どういう意味???」が出る。
特に、「実はこれはキツネが化けていて」とか「実はそれは嘘で本当は〇〇で」というような虚実が入り混じるシチュエーションのときに理解できなくなるようだ。
サトイモが「わからない」と言うと、家では私がその都度説明してやるのだけれど、学校では頭に疑問符がついたまま行動しているんだろうなぁと推測される。
それでも、なんだかんだで今サトイモはレベル13まで進んだ。
で、ここでもお金の使い方である。
新しい村や町にいけば、新しい武器や防具を買ってパワーアップするのが楽しいのだけれど、サトイモは武器にはお金を使う割に、ちっとも防具にお金をかけない。
「なんでいつまでも『ぬののスボン』はかせてるの?いい加減、何か買ってやりなよ」
と私がついつい口出ししてしまう。
サトイモは宿屋で泊まるのでさえケチる始末。
「使うとお金減っちゃうし…」
「なんのためのお金よ?そういうのを本末転倒っていうんやで!」
「貯めときたいねん」
そんなこんなで、課金の心配はあまりしていないのである。
ドラクエ性格診断
私はかねてから就職面接にドラクエかFFを導入したらどうかと提唱している。
RPGの進め方で人の性格がわかると思っているからだ。
私は慎重派で、十分にレベルを上げてからじゃないと次に進まないタイプ。
体力は常に満タンで行動する。お金は計画して貯蓄して、武器や防具はそのときのベストを手に入れる。
しかし、見た目は気にしない。一番値の高いものを装備すると、トータルめちゃくちゃダサくなることがしばしばあり、一度友人にそれを見られて、
「その恰好…。ゲームとはいえ、もうちょっとコーディネイト考えたら…」
とあきれられたことがあった。ステテコパンツはやめなさい、と。
そのときに、防御力よりも見た目を重視するプレイスタイルがあることを知った。
ドラクエをしているいろんな知人に話を聞くと、死にそうになっても次々進む、武器や防具にほとんどお金をかけない、道具は興味がなく魔法をバンバン使う、村人全員に話しかけずに次に行く、などなど、人によって気に掛けるところが全然違う。
現実世界とゲームで同じように行動するわけじゃないよ、という意見もあるだろう。ゲームだからこそ無茶する人もいるかもしれない。それでも私は、その無茶する性格が本当のその人なんじゃないかと思う。
で、サトイモはゲーム内ではめちゃくちゃ慎重かつビビりで、ドケチ。
怖い怖いといって、新しいモンスターからは逃げ回る。
安全な村の中で、同じ村人に何度も話しかけ、同じ樽を何度も割り、ウマのふんを拾って喜んでいる…。
好奇心旺盛で怖いもの知らず、アグレッシヴで常に動き回っているようでいて、それは全くサトイモの本性と違うのかもしれないな…、と最近思う。
いや、幼児の頃はそうだったけれど、最近は成長して変わったかもしれない。
性格診断いろいろ
ドラクエ性格診断は私が勝手に言っていることだけど、SPI診断とか、MBTI診断とか、最近は就職活動に性格診断は欠かせないものらしい。
職場での人材マッチングでも人間の性格を重視するならば、学校の先生と子どものマッチングもそういうことを考慮してほしいものだと思う。
最近、「コドモトメガネ」という子どもの才能タイプ診断システムを受けようかと考えている。
「コドモトメガネ」は教育家の小川大介氏が開発した診断システムで、「学びの傾向」と「行動の傾向」から子どもの才能タイプを分析し、子どもに合った学びのスタイルや親のかかわり方を導き出すらしい。
サトイモの行動をややこしくしているのは、「頭ごなしに叱る夫」と、「くどくど理屈をこねまわす私」のせいなんじゃないか、ということは私自身もわかっている。
だからといって、じゃあどうすればいいのかが、わからない。
ひとまず私がサトイモの行動にあれこれ口出しするのはやめにしても、放ったらかしにすれば余計に悪化するのもわかっている。
小川式の「親にだけ講座」はそれなりにお高い受講料が必要だけれど、藁にもすがる気持ちで受講するつもり。
私はひとまず口にチャック
「一生『ぬののスボン』でええと思ってるんか!?」
そう言いたい気持ちをグッと抑える。
いや、いいのかもしれない。
「ぬのの服」のままドラクエをクリアした人もいるかもしれない。
防御力の高い防具を装備するのが当たり前、という私の思い込みや常識を押し付けるのがいけないのだ。
ひとまず、金曜日は丸一日学校にいられたし、今朝も学校へ行けたけれど、学校や勉強にしてもドラクエと同じことが言えないか。
ぬのの服、ぬののズボン、素手のままでも冒険はできる。
あ~、でも、サトイモに「皮のこしまき」を買わせて装備させたい!!
…がまんがまん。