奇才サトイモの元気が出る発達日記

発達障害(ADHD&ASD)の疑いがある息子サトイモの子育て日記です。

初めての合宿

サトイモは7月からロボット教室に通っている。

小学校の帰り道で配られていたチラシを見て、本人のたっての希望だった。

月に2回、90分の講座で、テキストをもとにブロックとモーターでロボットを組み立てる。

授業のようなものはなく、わからないところがあれば先生がアドバイスしてくれる、というかんじで、基本は黙々と一人で作業する。

夫は、

「そんなん習うまでもないんやから、わざわざ行かせる意味ある?」

と乗り気ではなかった。

私もそう思う。

でも、本人が行きたいというし、体験に行ったときの雰囲気がサトイモに合ってそうだったので、通わせることになった。

 

最初だけ、私も同席したのだけど、サトイモが例のとおり、教室のコンセントと電気の配線に興味を持っていると、塾長が、

「電気好きなん?ほんならこれ見て〜。この配線がつながっとうやろ、このスイッチでな、あっちとこっちの電気がいっぺんに点くねん。すごいやろ」

DIYで作った照明の仕組みをサトイモに見せてくれた。

これまで、コンセントだとか延長コードだとかUSBの差込口だとかに興味を持つサトイモについて、「変わってるなぁ」「ユニークやなぁ」「個性的」などの評価はあっても、共感する人はいなかったように思う。

体験会で保護者同席といいつつ、塾長や先生から積極的なPRやカリキュラム説明、入塾のメリットのセールストークなどがあるわけではなく、保護者としてはな〜んか説明不足感が否めなかった。

ゆるゆるグダグダ。

今通っている有名進学塾の幼児教室のキッチリシッカリバッチリ感とは対極にある。

でも、それも含めて、ロボット教室はサトイモの「お仲間」ではないかという雰囲気を感じた。

サトイモにとって、拠り所は一つでも多いほうがいい。

 

サイエンス合宿

そのロボット教室は毎年、夏休みにサイエンス合宿を開催していた。

淡路島の合宿所で、科学実験を3つ、ウミホタルの観察、化石発掘などをする。

参加は任意で、参加費はけっこうお高い。

子どもだけの参加で親の同行はなし。

 

親の同行はなし!

ということは、サトイモを2日間預けることができる!

 

サトイモは親の言う事を聞かず、とんでもないイタズラばかり。

家の中はめちゃくちゃだ。

そんな毎日に疲弊している私は、まずサトイモを預けることができるだけでうれしかった。

 

サトイモも、親から離れることには全く抵抗がなく、合宿に行きたいと言った。

知っている顔は教室の先生2人程度で、お友達なんかいない。

それでも大丈夫かきくと、

「お友達なんて、すぐできるでしょ」

と楽観的だった。

 

小学校1年生から参加できる合宿だったけれど、集合場所に集まった子どもたちを見ると、ほとんどが中・高学年。

1年生はサトイモ一人、2年生も一人で、低学年クラスはなんとたった2人だけだった。

その2年生の子を「お友達」と呼んでいたが、名前は知らないとのこと。

それでもサトイモは平気だったようで、帰ってきてから感想を聞くと、

「来年も行く!明日からでもまた行きたい!」

という。

楽しかったならそれでよし。

集団行動が苦手なのかそうでないのか、ようわからんなあ…。

 

子どものいない週末

一方、私と夫は久しぶりに子どもがいない週末を過ごした。

喜楽館で落語を聴き、大丸でお買い物をし、三宮のビストロで夕食を食べた。

私が夏風邪をひいていたせいで、元気にはしゃぎまわる気分にはなれなかったのが残念だったけれど。

静かな夜。

早くお風呂に入りなさい、パンツをはきなさい、歯磨きしなさい、ベッドに入りなさい、と言わなくて済む。

ありがたや。

 

この日聴いた落語に、こんな創作噺があった。

死後の世界の役所で、何に生まれ変わりたいか希望を受け付けてくれる。

質問はたいてい二択。人間かそれ以外か、男か女か、性格が良いか悪いか、などなど。

「子どもで苦労する、苦労しない、どちらがよろしいですか?」

「そりゃあ、苦労しない、でお願いします」

「では、『子どもは持たない』と」

「子どもは欲しいですよ」

「子どもが欲しいなら、苦労しない、は選べないです」

 

定型発達児はカレーのようなもの

サトイモのトラブルが続くと、藁にもすがる気持ちでYouTubeの子育てチャンネルで専門家の話を聴く。

よく聴くのは、親野智可等、小川大介、あと精神科医の益田裕介。

最近、その益田先生の発達障害の子どもを持つ親についての動画の中で、すごく腑に落ちるフレーズがあった。

それは、普通の子育てと発達障害児の子育てを同じにしてはいけない、という話。

定型発達の子育てをカレーに例えていた。

少々間違ってもカレーはカレー、なんとかうまくいく。

キャンプの昼食みたいに、失敗したところも楽しい思い出になる。

それに比べて、発達障害がある子どもを育てるのは、もっと難しい料理を作っているのだ、と。

うまくいかなくて当たり前。

だって私は、カレーじゃなくて牛ホホ肉の赤ワイン煮込みを作っているのだから。