奇才サトイモの元気が出る発達日記

発達障害(ADHD&ASD)の疑いがある息子サトイモの子育て日記です。

どうして言うことをきかないの?

できるだけ怒らない子育てをしたい、と思っていても、サトイモのやることなすこと腹が立って、怒鳴り散らさずにいられない。

 

5月はサツキというだけあって、マンションのエントランスの植栽はサツキが花盛り。

誰かがサトイモに、

「サツキの花には蜜があって、花を採って裏を舐めると甘い」

と教えてくれて以降、やたらと花をちぎるようになった。

ひとつふたつならよいが、いくつも摘むので、

「もうそれくらいでやめようか。お花が可哀想だよ」

と注意するが、サトイモ聞く耳を持たない。

何度も何度も声をかけるが、言うことをきかないのでエスカレートする。

「やめようよ。あんまり取ったらお花がなくなっちゃう」

「もういい加減にして。やめてって言ってるでしょ」

「おい、やめろ言ってるやろ!なんでそんなに千切るねん!」

「何遍言うたらわかるんや!やめろ!」

「やめんかコラァ!バカタレ!」

サトイモはとにかくしつこい。

怒鳴るどころか、手を叩いて追いかけ回す、というところまでやらないと、やめることがない。

 

サトイモの言い分を聞くと、蜜を吸いたいのではなく、サツキの花をカタバミの長い茎につなげ、ネックレスを作るのだという。

だったら落ちている花を使えばよいのだし、なぜその行為をしているのか、という言葉が圧倒的に足りない。

いつも一緒に帰っているクラスの友達に、

「ひろくん、花のネックレスをあげる」

と、できたネックレスを渡そうとしたが、

「いらな〜い」

と無下に断られた。

「男の子はあんまりネックレス好きじゃないんじゃない? 女の子ならうれしいかもよ」

と私がアドバイスしたら、やはり帰り道が一緒の女の子にあげることにした。

彼女のランドセルの肩にサツキネックレスの茎をくくりつけて、

「お花のネックレスにあうよ。ランドセルを下ろすときは、こうやったら外せるからね」

と取る時の説明もしていた。

帰り道が同じだけで、あまりサトイモと仲良さそうな様子はなかったけれど、女の子はまんざらじゃない顔。

サトイモがモテる理由。

 

思い込みの激しさ

ある日、サトイモがサツキの花のオシベをちぎってはマンションのエントランスホールに落とすので、

「ゴミになるからやめなさい」

と怒ったことがあった。

もちろん、何度言っても言うことをきかない。

私が拾っていると、

「やめて!なんで拾うの?!」

サトイモが怒り出した。

「ボクはみんなのために、タネを撒いてるんだよ!お花が増えるように!」

はあ???

「いやいや、あんたが撒いてるのはタネじゃなくてオシベの先っぽ。もし、これがタネだったとしてもよ、タイルの上に撒いたところで芽が出るわけないでしょ!」

私が正論を言ったところで、タネだ!タネじゃない!タネだ!という水掛け論。

サトイモの思い込みは激しく、一度そうだと思ったらなかなか他人の話は受け入れない。

「ほんだら図鑑で調べてみぃ!はよ家入れ!」

大人気なく私がブチギレて、引きずるようにして家に帰らせた。

植物図鑑(うちの図鑑は講談社MOVE)を開くと、サツキの花の説明に運良くおしべとめしべが記されてあった。


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図鑑を開いたあたりで二人とも少し落ち着いてきていたので、サトイモも、

「へぇ、そうなのか」

と納得してくれた。

そこから、おしべとめしべって何?とか、おしべめしべがないように見える花もあるけどどうなってるの?とか、おばなとべばなっていうのもあるけどそれは?とか、とにかく「なぜなに」攻撃が始まる。

賢い子だと思うし、知的好奇心は大いにけっこうと思うから付き合うけれども、なかなかに面倒くさい。

即答できないことについては、私がわざわざ調べてやって、

「わかったよ!それはこういうことなんだって…」

と説明をし始めた頃には、もう違うことをしていて全く聞いちゃいない。

呆れて、私の脳でクレイジーケンバンドの剣さんが「俺の話を聞け〜」と歌いだす。

早く自分で調べられるようになってくれないかなぁ…。

 

どうしてサトイモくんは

とにもかくにも、書ききれないほどサトイモは手がかかる。

週明けは決まって登校しぶりがひどく、学校まで行っても、幼稚園児並みに私にしがみついて離れず、先生に引き剥がしてもらっている。

学校の何が嫌なのかわからない。

仲良しのひろくんから、

サトイモくんは学校でも全然言うことをきかないんだよ。どうしてあんなに言うことをきかないの?」

と尋ねられたことがある。

「どうしてなんだろうね。おばちゃんが一番それを知りたいわ」

と私はほとほと情けなくなってしまった。

ほかにも、ひろくんがサトイモが理屈をこねているときに、

「またむずかしいこと言ってる…」

とつぶやいているのが聞こえた。

ひろくんは学校でできた一番最初で一番仲良しのお友達。

だけど、2人の行く末には暗雲が立ち込めている気がする。

 

そうこうしている間に

一昨日、父の病院から電話がかかってきた。

父の状態が思わしくなく、酸素状態も足りなくなっているという。

先生からお話があるというので、今日面談する予定となった。

1日空いたのは先生の都合なのか、昨日の大雨を考慮したからか。

薬だけは口から飲んでいるけれど、ムセてしまうため、絶食状態らしい。

栄養は点滴だけ。

弱って当然だ。

それもこれも、私が経鼻栄養を断っているから。

父を餓死させようとしているのは私のせい?

気が重い。

どうせ最期なら、食べたがっていた八宝菜の、片栗粉で溶いたあんだけでも舐めさせてやれないものか。